常滑

1.焼き物散歩道
 焼き物散歩道はAコース・Bコースの2種類が整備され、案内板などが設置されています。Aコースは40〜60分ほどのコースで、土管坂・廻船問屋瀧田家・登り窯広場など主なポイントを手軽に一周できます。Bコースは、相持院や陶祖・鯉江方寿の墓・世界のタイル博物館・窯のある広場などをまわるコースです。所要時間は約2時間30分ですが、ガイドブックにはあまりとりあげられないおもしろいものが見つかるかもしれません。
焼き物散歩道ではいろいろなものが見られます。

窯元
美しく常滑焼を見せてくれるギャラリーや店舗と、現役の工場とが散歩道には混在しています。工場の中を覗くといろいろな完成品・半完成品が見られます。道の両側で一つの工場になっていて、製品を運べるように道の上に通路が渡されている工場もあります。

路地
常滑焼が見られる路地としては土管坂が有名ですが、窯で用いる緩衝用の台を埋め込んだ道、土管・焼酎瓶などを利用した家屋の基礎や塀など、散歩道の至るところで常滑焼を利用した路地や塀を見ることができます。

常滑焼の製品
そのほか意外な所でも常滑焼を発見できます。たとえば、陶祖といわれる鯉江方寿の墓は常滑焼でできています。常滑焼の墓石はその他の墓地でも見ることができます。相持院の狐像も常滑焼です。道端にも常滑焼の製品(失敗品も含めて)が置かれていますが、年の後半になってくると朱泥の干支の置物が多く見られるようになります。


煙突
煙突のみえる風景

煙突
窯が集中していた時代には常滑には煙突が林立していました。昭和初期でその数400本といわれます。しかし、今では完全な形で残っているレンガ造りの煙突は50本ほどに減っています。それでも散歩道の終点近くの一木橋の西側付近から南を見ると十数本の煙突を見ることができます。
焼き物散歩道は散策路ですが、中にはいくつか見学できるところがあります。

一木橋
雪の一木橋

廻船問屋瀧田家
幕末から明治初期に常滑船の船主として活躍した瀧田金左衛門の居宅で、主屋は幕末期の建築物です。昔は西側の窓からすぐ前に海が見えたといいます。現在、常滑船の歴史がわかる唯一の施設です。

罫線

登り窯
全長22mのこの窯は、1887年(明治20)に30人の窯仲間によって築かれました。傾斜地を利用して8つの室があり、最下部の焚き口で石炭を、第2室で松葉・薪を焚いて、熱が窯全体に行き渡るように造られています。窯入れから窯出しまでは約40日を要します。常滑で残る唯一の登り窯で、窯本体だけではなく周辺の作業場も保存されている点も貴重です。焚き口の前にある荷車は常滑焼の瓶がちょうど並べられる幅になっています。

登り窯
登り窯

常滑市歴史民俗資料館
常滑焼の生産道具や中世から現代までの製品が展示されています。ビデオなどもあり、常滑焼に関する基本的な知識が得られます。

2.常滑湊跡
 
 常滑警察署の東側に残る細い水路が常滑湊の跡です。1958年(昭和33)に新開町ができるまでは、県道252号のやや西側が海岸線でした。

3.旧道沿いの町並 
 常滑湊に接して、現在の栄町付近の旧道(県道252号)東側に常滑を代表する家が建ち並んでいました。現在でも、日本棋院常滑支部(瀧田商店・木綿問屋)、竹村仁平家などが残り、その雰囲気を伝えています。県道252号と海岸線との間は荷揚場・倉庫として利用されていました。北条海岸(現アーク証券の地点)にあった1828年(文政11)建立の常夜燈は、市民アリーナ近く(新開町3丁目)に移されています。県道252号の陶磁器会館西の交差点の北西には木造3階建の丸久旅館があります。1935年(昭和10)、宮大工によって建てられ、半円形を上下にずらした明窓や欄間の彫刻など、意匠のこらされた造作が見られます。

4.消防資料館
 常滑市消防署の一角に消防資料館があります。常滑市内で使われていた竜吐水(木製ポンプ)・水鉄砲・まといなどの消防用具などが展示されています。

消防資料館
消防車